地球地図の仕様(簡略版)
地球地図の仕様について
地球地図は、世界各国の国家地図作成機関がそれぞれの国土について作成した地球地図データを持ちよることにより、世界の全陸域をカバーする地理空間情報です。従って、これが一貫した均質なデータとなるためには、各国から提出されるデータが統一された仕様に基づいて作成されたものであることが不可欠な要件です。
検討が重ねられた結果、1998年11月の第5回地球地図国際運営委員会において地球地図仕様の最終案が提示され、「地球地図仕様第1.0版」として確定しました。その後、地球地図国際運営委員会において何度か修正が加えられ、2007年には「地球地図仕様第1.3版」となりました。
さらに、2009年の第16回地球地図国際運営委員会において、参加国からの意見に基いて「地球地図仕様第2版」として全面的に改訂されました。
詳細なデータの仕様については、「地球地図仕様」(英語版のみ)を参照してください。
各データの解説
ここでは、地球地図データの主な内容を簡単に紹介します。
ベクタデータ
ベクタデータのフォーマットは、地球地図仕様第1版ではNIMA(米国国家画像地図局、現NGA:National Geospatial-Intelligence Agency)の開発したVPFが採用されました。
地球地図仕様第2版では、VPFに代わりISO19136標準のGML3.2.1が採用されました。
ベクタデータでは次の4項目が整備されています。
- 交通網(Transportations)
- 道路、トレイル、鉄道、フェリー航路、空港など。
- 水系(Drainage)
- 内水面、河川、運河、水路、ダムなど。
- 境界(Boundaries)
- 行政域、行政界、海岸線など。
- 人口集中地区(Population Centres)
- 都市域、都市、居住地など。
ラスタデータ
ラスタデータは、すべて経度差および緯度差30秒の領域を1画素とするヘッダー無しバイナリーデータで、BILと呼ばれるフォーマットが採用されました。
ラスタデータでは4項目が整備されています。そのうち、植生と土地被覆の項目では各国が作成するものに加え、国土地理院や千葉大学等が中心となって衛星データ(MODIS2003)から作成した、全球を網羅する土地被覆(GLCNMO)と植生(樹木被覆率)の全球版データも整備されました。これらの全球版データは地球地図公式フォーマットのBIL形式だけでなく、画像形式(TIFF)でも公開されています。
- 標高(Elevation)
- メートル単位の標高値が、2バイトデータで、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で格納されています。
- 植生(Vegetation)
- -地球地図仕様第1.2.1版以前-
地表の植生を20種類(別表1参照)に分類したデータ。1バイトデータが、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で並んでいます。
- -地球地図仕様第1.3版以降-
樹冠を鉛直方向から見下ろしたとき、地表面に対する樹木の比率(樹木被覆率)をパーセントであらわしています。解像度約1kmで1バイトデータが、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で並んでいます。
- 土地被覆(Land cover)
- -地球地図仕様第1.2.1版以前-
地表の被覆を17種類(別表2参照)に分類したデータ。1バイトデータが、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で並んでいます。
- -地球地図仕様第1.3版以降-
地表の被覆を20種類(別表3参照)に分類したデータ。1バイトデータが、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で並んでいます。土地被覆分類はFAOの土地被覆分類システム(LCCS2)に準拠しています。
- 土地利用(Land use)
- 地表の土地利用を9種類(別表4参照)に分類したデータ。1バイトデータが、1ラインに西→東の方向で、ラインが北→南の方向のラスタ形式で並んでいます。
別表1:植生(Vegetation) -地球地図仕様第1.2.1版以前-
| 分類項目
| 説明 |
コード値 |
| 熱帯多雨林 |
通年、降水量が多く多湿な地域の常緑森林。30mから40mの樹林で形成される上層樹冠と、それより高い樹木が点在する。 |
10 |
| 雨緑林 |
乾季に落葉し雨季に葉をつける落葉広葉樹林。 |
20 |
| 熱帯・亜熱帯の草原 |
乾季が長く乾燥が厳しい草原で、樹木はまばらに分布するのみ。乾燥の状態によって植物の密度が変わる。 |
30 |
| 熱帯・亜熱帯の半荒原 |
降水量が少なく乾燥が厳しい地域で植物がまばらに分布する。 |
40 |
| 熱帯・亜熱帯の荒原 |
降水量が少なく乾燥が特に厳しい地域で植物がまばらに分布する。 |
50 |
| 硬葉樹林 |
雨季に特に雨が多く、夏は比較的乾燥する地域の森林。常緑で硬く厚い葉を有する樹木を主とする。 |
60 |
| 常緑広葉樹林 |
温帯で夏に雨が多いか、年間を通じて湿潤な地域の森林。厚葉樹よりやや大きい葉を持つ広葉樹を中心とする。 |
70 |
| 落葉広葉樹林 |
冬季に落葉する樹木を主とする森林。冷温帯で十分な降水量がある地域に分布する。 |
80 |
| 温帯草原 |
温帯の乾燥気候に分布する草原。樹木の生育はない。 |
90 |
| 温帯の半荒原 |
温帯で乾燥が激しい地域。ヨモギやアカザの類で覆われる。 |
100 |
| 温帯の荒原 |
温帯で乾燥が特に厳しい地域。ヨモギやアカザの類で覆われる。 |
110 |
| 北方針葉樹林 |
寒冷が厳しく長い冬の亜寒帯の針葉樹林。この樹林は一般に常緑である。 |
120 |
| ツンドラ |
かん木、広葉草木、コケ類、地衣類などからなる植物群落。厳しい寒さのため高木にはならない。 |
130 |
| 水面 |
河川や湖沼などの水面。 |
140 |
| 雪氷面 |
年間を通じて雪氷に覆われている地域。 |
150 |
| 湿地 |
一年の大半が湛水土壌や水面で覆われた植生地域 |
210 |
| 混合林 |
落葉樹及び常緑樹、又は針葉樹及び広葉樹が混在する森林。 |
220 |
| 混合地 |
他の分類が混在する地域。 |
230 |
| 非自然地 |
耕作地、都市域その他改変された植生。 |
240 |
| 分類不能 |
どれにも分類されない地域。 |
250 |
別表2:土地被覆(Land cover) -地球地図仕様第1.2.1版以前-
| 分類項目
| 説明 |
コード値 |
| 常緑針葉樹林 |
樹冠被覆率が60%以上で、2m以上の樹木で占められる土地。ほとんどすべての樹木は針葉かつ1年中緑である。樹冠は常に緑葉を有する。 |
1 |
| 常緑広葉樹林 |
樹冠被覆率が60%以上で、2m以上の樹木で占められる土地。ほとんどすべての樹木は広葉かつ1年中緑である。樹冠は常に緑葉を有する。 |
2 |
| 落葉針葉樹林 |
樹冠被覆率が60%以上で、2m以上の樹木で占められる土地。季節的に落葉する針葉樹からなる。 |
3 |
| 落葉広葉樹林 |
樹冠被覆率が60%以上で、2m以上の樹木で占められる土地。季節的に落葉する広葉樹からなる。 |
4 |
| 混合樹林 |
樹冠被覆率が60%以上で、2m以上の樹木で占められる土地。4種類の森林タイプが混ざり合うかモザイク状になっている。どの森林タイプも60%を超えない。 |
5 |
| 密集かん木林 |
2m以下の木で覆われ、その被覆率が60%を超える土地。常緑、落葉共に有り得る。 |
6 |
| かん木林 |
2m以下の木で覆われ、その被覆率が10-60%の土地。常緑、落葉共に有り得る。 |
7 |
| 木の多いサバナ |
草や他の下生えのある土地で、樹木の被覆率が30-60%の土地。樹木は2m以上。 |
8 |
| サバナ |
草や他の下生えのある土地で、樹木の被覆率が10-30%の土地。樹木は2m以上。 |
9 |
| 草地 |
草によって覆われた土地。木やかん木の被覆率は10%以下。 |
10 |
| 湿地 |
広範囲にわたって水または草、木が永続的に混在する土地。 |
11 |
| 畑 |
作物、収穫と露出土の時期がある土地。樹木作物は該当する森林に分類される。 |
12 |
| 市街地 |
建物及び他の人工構造物によって覆われた土地。 |
13 |
| 農地、自然地の混合 |
農地、森林、かん木そして草地のモザイクによる土地で、60%以上をいずれかの要素が占めることはない。 |
14 |
| 雪氷 |
一年中、雪か氷で覆われた土地。 |
15 |
| 裸地、砂地、岩地 |
土、砂、岩がむき出しであるか、雪の土地。年間を通して10%以上植生が地表を覆うことはない。 |
16 |
| 水部 |
大洋、海、湖沼、貯水池と河川。 |
17 |
別表3:土地被覆(Land cover) -地球地図仕様第1.3版以降-
| 分類項目
| 説明 |
コード値 |
| 常緑広葉樹林 |
常緑広葉樹からなる。樹冠被覆率が40%以上で、樹高が3m以上。樹木作物が含まれる。 |
1 |
| 落葉広葉樹林 |
落葉広葉樹からなる。樹冠被覆率が40%以上で、樹高が3m以上。樹木作物が含まれる。 |
2 |
| 常緑針葉樹林 |
常緑針葉樹からなる。樹冠被覆率が40%以上で、樹高が3m以上。樹木作物が含まれる。 |
3 |
| 落葉針葉樹林 |
落葉針葉樹からなる。樹冠被覆率が40%以上で、樹高が3m以上。樹木作物が含まれる。 |
4 |
| 混合樹林 |
常緑広葉樹、落葉広葉樹、常緑針葉樹、落葉針葉樹が混在している。樹冠被覆率が40%以上で、樹高は3m以上。樹木作物が含まれる。
|
5 |
| 疎林 |
疎林からなる。樹冠被覆率が(10-20)% から40%である。 |
6 |
| かん木 |
かん木地からなる。樹冠被覆率が(10-20)%以上で、樹高が0.3mから5mの間。
|
7 |
| 草地 |
草の植生からなる。樹冠被覆率が(10-20)%以上で、樹高が0.03mから3mの間。
| 8 |
| まばらな木またはかん木を含む草地 |
草の植生からなる。樹冠被覆率が(10-20)%以上で、樹高が0.03mから3mの間。まばらな木やかん木を含む。
|
9 |
| まばらな植生 |
まばらな草もしくは木の植生からなる。樹冠被覆率が1%から(10-20)%の間である。
|
10 |
| 畑 |
草の作物からなる。水田は除く。 |
11 |
| 水田 |
イネ科などの作物からなる。
|
12 |
| 農地と自然植生の混合 |
少なくとも年間2ヶ月以上、4%以上の植生を含む地域。自然植生が人為的な植生に移りかわる。
|
13 |
| マングローブ |
塩水(TDS:10000ppm以上)の地域で、樹木の植生からなる。樹冠被覆率が15%以上。
|
14 |
| 湿地 |
真水もしくは汽水(TDS:10000ppm以下)の地域で、樹木または草の植生からなる。樹冠被覆率が15%以上。
|
15 |
| 裸地、固結(礫、岩) |
固結物に覆われた土地。 |
16 |
| 裸地、未固結(砂) |
未固結物に覆われた土地。 |
17 |
| 市街地 |
少なくとも年間10ヶ月は4%未満の植生からなる非植生地。人間活動の結果の人工物で覆われている。 |
18 |
| 雪氷 |
例年、9ヶ月以上永続的に雪または氷に覆われた土地。
|
19 |
| 水部 |
人工的な水部、もしくは天然の水部。 |
20 |
別表4:土地利用(Land use)
| 分類項目
| 説明 |
コード値 |
| 森林 |
かん木よりも高い木の樹冠被覆率が10%以上の地域。 |
10 |
| 混合地域 |
非植生地、農地、草地・低木林、湿地のいずれか2分類以上が混合して含まれる地域。いずれかの分類項目が卓越している場合は本分類を適用しない。 |
20 |
| 草地・かん木 |
樹冠被覆率が10%未満の地域。 |
30 |
| 農地 |
定常的に農業活動が行われている地域。 |
40 |
| 湿地 |
地下水位が地表に近い地域、及び土壌に水分が多く含まれている地域。 |
50 |
| 裸地 |
人工構造物が存在しない非植生地域。 |
60 |
| 市街地 |
人工構造物がかなりの面積を占める地域。 |
70 |
| 湖沼・河川 |
海岸線より内側で水面を形成する地域。 |
80 |
| 海 |
海岸線より外側で水面を形成する地域。 |
90 |
|