地球地図(GLOBAL MAP)

Global Mapping Newsletter 第9号

つながった地球

イギリス測量局 局長 デヴィッド・ラインド
イギリス測量局局長デヴィッド・ラインド

環境汚染には国境がない。エルニーニョなどの自然現象は、直接に、あるいは間接に多くの国に影響を及ぼし、その結果、家族は家を失い、人々は職を失う。ある国では、政府の政策として、また社会慣習として集団移住が奨励され、他の近隣諸国に影響を及ぼす。通商、ことに資本の移動はグローバルであり、各国政府が行えることに影響を及ぼしている。マイクロソフトのような企業は、事実上市場を独占している。これらの、またその他の多くの理由により、我々は現在、つながった地球の時代、すなわち、我々各々の行為が多くの他者に影響を及ぼす可能性を持つ時代に生きている。

しかし、我々の行為の影響、または、自然現象の結果を予測するためのツールは初歩的なものしかない。最も重要な点は、地球と、地球を構成するシステムについての我々の持つ知識に大きな問題があることである。我々が持つ最も基本的な情報は概して古いものであり、今すぐ使うには不向きな形をしている。また、だれかよその人の保管場所で鍵がかけられているか、不適当に機密扱いされているか、問題の場所について信頼性がなかったり、一貫性に欠けたりする。他でもなく地図作成分野にこの事実があり、縮尺5万分の1の地図は、全世界のおよそ半分だけしか作成されておらず、今後世界の人口の多くが住むであろう都市計画作成の役にはたたないのである。地球規模でみると、全地球を網羅する一貫性のある地図はいくつもないが、それらは多くの点で非常に不十分である。地図が作成されていたとしても、往々にして30年まえのものであったり、時には植民地時代のものであったりする。

地球規模の一貫性のある、最新の、信頼できる核となる情報-とりわけ地図、ただしこれに限るものではないが-整備を追求することには真の価値がある。これは、国連に始まり、非営利活動団体に至るまでの多くの組織により確認されてきていることである。しかし、言うは易く行うはさらに難しである。国家規模を超えたものに対して誰が費用負担をするであろうか。種々の取り組みをどのように調整すれば、最終成果が部分の集合以上のものになるようにできるだろうか。最も多く利用されるためにはどのくらいの詳しさが必要だろうか。成果の質はどのくらいにすべきか(したがって、どのくらい費用がかかるか)。どのように入手できるようにするか。誰かが所有すべきなのか。更新はどのようにするか。(「1回限り」のプロジェクトの成果が長期的な価値をもつことはまれである。)

地球地図プロジェクトや、全地球空間データ基盤(GSDI)計画、その他現在議論されている計画は勇敢な冒険といえよう。これらは我々を国家プロジェクトというなじみのある世界から、様々の異なった文化、経験、利害関係、資産をもつ人々の間での効果的な協力が要求されるいっそう困難な世界へと進ませる。今何ができて、将来何ができうるかを確言することは不可能であるが、それはやめる理由にはならない。地球的視野に立てば、我々が行うべきことは、自然の、または人間が引き起こした問題を予測し、産業を規制し、多くの貧しい国を発展させることであろう。このために我々は一貫した、信頼できる、良質の地理情報を必要とする。地球地図やGSDIに携わる方々全員の成功を祈る。

地球地図フォーラム'98がEROSデータセンターで開催されます

地球地図フォーラム'98がEROSデータセンターで開催されます

昨年11月に開催された「地球地図フォーラム'97 in岐阜」に引き続き、「地球地図フォーラム'98-21世紀のための情報-(仮称)」が米国地質調査所主催で今年6月15日から四日間の予定で米国サウスダコタ州スーフォールズにおいて開催される。地球地図フォーラムは1996年11月に米国カリフォルニア州で開催された国連地球地図セミナーで採択された声明の中でその設置が勧告されたもので地球地図の作成者と利用者が意見交換、情報交換を行う場として、今回で2回目のフォーラムとなる。

今回のフォーラムでは、持続可能な開発、環境モニタリング・評価・管理、地域や地球規模のモデリングのためのデータニーズなど、地球地図データ整備と利用に当たって重要な課題についての討議を行う予定である。そのためにデータ作成側と利用者側双方の立場の専門家に広く参加を呼びかけ、以上の課題についての発表をしていただくことにしている。フォーラム最終日には地球地図国際運営委員会第4回会合を予定している。

開催場所やスケジュール及び参加登録方法、その他詳細な情報については、ISCGMホームページ(表紙参照)に順次掲載するので、参考にしていただきたい。問い合わせは地球地図国際運営委員会事務局まで。

第4回アジア太平洋地域GIS基盤常置委員会会議がイランのテヘランで開催されました

第4回アジア太平洋地域GIS基盤常置委員会会議がイランのテヘランで開催されました

第4回アジア太平洋地域GIS基盤常置委員会会議はイランのテヘランで2月28日から3月4日まで開催され、アジア太平洋地域の15カ国から72名の代表及び、EUROGI、CERCO、MEGRINなどのヨーロッパの機関から5名のアドバイザーが参加した。

この常置委員会は、1994年に開催された第13回国連アジア太平洋地域地図会議の決議をうけて1995年に設立され、地域の地理情報基盤の整備に関する事項を協議し経験を共有することにより、経済・社会・環境面での地理情報の便益を最大とすることを目的としている。

会議を通して、常置委員会の今後のプログラム、委員会活動の構成、及び地球地図、EUROGI、CERCO/MEGRIN、GSDI、ISO/211等の関連のある他のイニシアチブとの関係に焦点があてられた。これに関して、日本国国土地理院の野々村邦 夫院長が、ISCGMの最近の活動の報告を行った。

最後に本会議では以下を含む7つの決議を採択した。

*決議1:本会議は、次の構成で以下に掲げたキープロジェクトと課題を実施するように勧告する。
1)理事会・事務局
-APSDI(アジア太平洋空間データ基盤)フレームワーク・ドキュメントのとりまとめ・承認・刊行
2)ワーキング・グループ1:地域測地ネットワーク
-地域精密測地ネットワークの実施など
3)ワーキンググループ2:地域基本データ
-地域基本データセットの定義・統合など
4)タスクフォース:整備のニーズ
-メンバー国の国土空間データ基盤整備に関するニーズを見出すことなど
*決議3:本会議は、メンバー国が次に述べる基本方針の採択を検討するように勧告する;
1)利用:メンバー国は、国土空間データ基盤の整備と結びつけて、地域基本データの自国の分担部分を作成・維 持する。
2)入手:メンバー国が作成した地域基本データは、地域の経済・社会・環境面での利用をしやすくするため、他のメンバー国が利用できるようにしなければならない。

常置委員会の次回の会合は1999年4月19日~23日に北京で開催される。

国土地理院がCOP3-UNFCCC(地球温暖化防止京都会議)で地球地図を紹介しました

地球温暖化の防止には、世界各国及び国際機関の国際的な協力が必要であり、1992年に「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」が採択された。気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3-UNFCCC)が1997年12月1日~10日にかけて、国立京都国際会館で開催された。

国土地理院は、COP3及びその関連行事において、地球地図構想の広報活動に取り組んだ。COP3会議場内の日本政府ブースにおいて地球地図構想と地球地図が地球温暖化に関連してどの様に利用されるかを示すため、パネル展示及びパソコンによる地球地図プロトタイプ・データのデモを行った。多くの会議参加者が、地球温暖化による海面上昇のシミュレーションやユーラシア大陸の森林分布図に関心を示した。

また、11月27日~30日にかけて、主に一般市民を対象としたCOP3関連行事である「地球環境フェア'97」が神戸市で開催された。国土地理院は、パネル展示とパソコンによるデモンストレーションを実施し、特に、中学生や先生方の注目をひいた。

日本国国土地理院は地球地図のデータ整備をアジア地域で開始します

現在国会で審議中の1998年度日本政府予算案に、初めてアジアの一部の地球地図データ作成経費が盛り込まれた。

国土地理院は、地球地図フォーラムなどの国際会議の開催、地球地図国際運営委員会事務局業務、地球地図整備やデータ提供に関わる技術の開発、仕様の検討や有用性を示すためのサンプルデータの作成等を通して、地球地図の促進に鋭意努力してきた。ISCGMの第3回会合で採択された地球地図行動計画案では、ISCGMに参加する国々は自国のデータ作成を行うのみならず、各国が提供するデータを使い他国のデータ作成も行うように期待されている。資金面において、行動計画は、国家予算、援助機関からの支援、民間や大学との協力など、いくつかの財源・資源を追求している。西暦2000年の完成目標を達成するためには、データ整備はできるだけ早く開始しなければならない。このような認識のもとで、国土地理院はアジア地域のデータ整備の予算要求を行ったのである。

国土地理院は、日本の国会での予算成立の後、アジアのデータ整備を開始する予定である。これがきっかけとなって他の地域のデータ整備が進むことが期待される。国土地理院は、多くの国が地球地図整備に積極的に参加し貢献することを期待している。

国連における地図作成プログラムの移動

国連の組織再編成により、地図作成プログラムはHermann Habermann氏が部長を務める統計部門に移管された。

経済社会局部長のラボンヌ女史は、現在、経済社会問題担当事務次長のデサイ氏の補佐業務を行っている。地球地図整備促進におけるラボンヌ女史のこれまでの貢献に厚く感謝する。

今後、地球地図整備が、国連とISCGMとの関係の一層の強化の下に行われることを期待したい。

地球地図及び関連の会合予定

以下は地球地図及び関連の会合の予定である。"?"マークの会合は未確定である。


1998年
1999年

編集、発行:建設省国土地理院
             地球地図国際運営委員会事務局
連絡先:〒305-0811 茨城県つくば市北郷1
TEL:0298-64-6910
FAX:0298-64-6923
E-mail:iscgmsec@graph.gsi-mc.go.jp
URL:http://www1.gsi-mc.go.jp/iscgm-sec

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