湖沼湿原調査報告書(霧多布地区)

目次

5.まとめ

本調査では、霧多布湿原を中心とした約160km2の地域である霧多布地区を対象として、湖沼調査、土地利用調査、地形調査を実施し以下の調査結果を得ました。

湖沼調査では、火散布沼を調査し、

  1. 最大水深が5.7mだったこと。
  2. 湖沼の大半は水深1m前後と浅いが、南東部は浚渫箇所や潮汐三角州が分布し複雑な地形を有すること。
  3. 底質は中央部は砂礫等で周辺部に泥が分布すること。
  4. 水中植物はアマモ、コアマモ群落が主体であること。
を明らかにしました。

土地利用調査では、1951(昭和26)年前後、1981(昭和56)年前後、2000(平成12)年前後の3時期の地形図から土地利用とその変化を調査し、

  1. 調査地域においては、森林が全体の5割を占めること。
  2. 1951年以降湿地が減少しているが、ほとんどが1951年から1981年にかけて起こり、減少分のうち森林化が7割、都市化が3割であること。
  3. 土地利用項目間の変化を分析したところ、都市化と畑地化は主に1951年から1981年にかけて起こったこと、森林-湿地、森林-荒地の両方向への変化は1951年から2000年にかけて継続的に起こっていること。
を明らかにしました。

地形分類調査では、

  1. 段丘、丘陵、低地、湖沼及び湿原の4つに類型化し、それぞれの地形区分の特徴を把握して地形分類図にとりまとめました。
  2. ボーリング調査により、地形形成環境を明らかにし、霧多布湿原中部において東側は海浜あるいは海底で形成された砂層が卓越し、西側は湿原で形成された植物起源の泥炭、または、ラグーンで形成されたと思われる粘土が卓越することを明らかにしました。
  3. 詳細地形調査では、地形の断面と植生の関係を明らかにし、霧多布湿原内の河川周辺の低層湿原と河川周辺以外の高層湿原の特徴をつかむことができました。

本調査で得られた成果及びデータを基礎資料として、生物相の調査や水質・気候等の環境調査やその他の知見も踏まえることで、自然と共生する地域づくりに広く活用されることが期待されます。

本調査の実施に際して、北海道開発局釧路開発建設部根室港湾建設事務所、北海道釧路支庁、北海道釧路土木現業所、浜中町、散布漁業協同組合、その他関係機関よりボーリングデータや都市計画図を始め各種資料を提供していただきました。また、霧多布湿原センター、その他多くの方より貴重な助言をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

本報告書に使用した地形図等は、国土地理院が発行している2万5千分1地形図、5万分1地形図、20万分1地勢図及び国土地理院が作成した旧版地形図であり、また使用した写真は、国土地理院撮影の空中写真及び国土地理院が保有する米軍撮影の空中写真、並びに現地調査等で撮影したものであることを付記します。


お問い合わせ先

 国土地理院 応用地理部環境地理課 湖沼湿原調査係
   〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
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