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サロベツ地区 湖沼湿原調査報告書
国土地理院技術資料D・1-No.457
(サロベツ地区)
平成19年3月 国土地理院
※ 表紙の写真(サロベツ原野中央部)は、国土地理院撮影1/3万空中写真HO-99-2X C12-3を使用。
まえがきわが国には、面積1km2以上の湖沼がおよそ100(合計約2,300km2)、また5万分1地形図に記載される湿地がおよそ370(合計面積約820km2)あります。国土面積の約0.8%を占めるこれらの湖沼や湿地は従来、洪水の緩和、水の供給源、漁業等の経済活動やレクリエーションの場といった機能を提供していました。 また、近年では、野生動植物の生息地や汚れを浄化する等の環境面の機能も見出され、それらの保全と持続的利用が重要な課題となってきています。 国土地理院では、1955(昭和30)年以来湖沼調査を実施してきましたが、2002(平成14)年からは湖沼・湿原の保全や、環境と調和した利用の促進に必要な基礎情報を整備・提供することを目的として湖沼湿原調査を実施しています。 湖沼湿原調査は、湖沼の地形・底質・水中植物、湿原とその周辺の地形と複数時期の土地利用を調査し、報告書、地図(報告書付図)及びGIS用のデータを成果としてとりまとめるものです。湖沼湿原調査は、ラムサール条約の登録湿地等貴重な自然を残していると認められており、保全対策が課題となっている湖沼・湿原を中心に順次実施する予定です。 この調査報告は、北海道の北端稚内市から南へ約40kmに位置するサロベツ原野を中心とした南北31.5km、東西21kmにわたる面積約477km2のサロベツ地区を対象として2005(平成17)~2006(平成18)年度にかけて実施された湖沼湿原調査の内容と成果をとりまとめたものです。サロベツ地区は、きわめて発達した高層湿原を有し、ラムサール条約登録湿地であるサロベツ原野を含み、またその南側には海跡湖のペンケ沼、パンケ沼をはじめ大小の沼が点在する優れた自然環境を有しています。 一方で地域経済を支える農業などの産業も営まれており、自然環境と人間活動との調和が課題とされているところです。この報告書はペンケ沼、パンケ沼を含むサロベツ原野の周辺地域の自然特性や環境変化を理解するための基礎的情報を取りまとめたものですが、上記の課題も含めた自然と共生する持続可能な地域づくりに携わる多くの方々に役立つことを願ってやみません。
平成19年3月
国土地理院地理調査部長 丸山弘通 |