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4.土地利用調査報告(2)調査結果
2)土地利用面積の変化
a)土地利用項目別面積の変化
1956年のサロベツ地区の土地利用は、全面積約477km2のうち「森林」が約256.4km2で約54%を占め、続いて「荒地等」が86.7km2で約18%、次いで「湿地」が68.7km2で約14%を占めていました(表-4、図-17)。
表-4 土地利用項目別面積の変化
しかし、1998年になると「森林」の面積は約77.2km2(256.4km2->179.2km2)も減少し16.2%の減(1956年比)、「湿地」も約41.3km2減少し8.7%の減となっています。反対に「畑地・果樹園等」が約127.6km2も増えて約3.7倍となり、「都市集落及び道路・鉄道等」の面積も約8.4km2増えて約3.3倍となっています。 ![]() 図-17 土地利用項目別面積比率の変化
b)湿地面積の変化
1956年から1998年までの間で、「森林」に次いで減少率の大きい「湿地」に着目し、1956年時点での「湿地」が、1978年、1998年にどのように変化していったかを表したグラフが図-18です。 ![]() 図-18 湿地の変化 1956年時点の「湿地」のうち約37%の25.5km2が1998年には「畑地・果樹園等」に変化しています。畑地の多くは、1956年時点で「湿地」や「荒地等」だったところを、排水したり開拓したりして牧草地として利用しているところで、1998年時点では「畑地・果樹園等」に変化しています。表-4で「畑地・果樹園等」の変化をみると、そのほとんどは1956年から1978年に起きており、その変化面積は92km2(19.3%増)となっています。また、その後の1978年から1998年の20年間では、その変化面積は35.6 km2(7.5%増)となっています。 「畑地・果樹園等」に次いで大きいのは「荒地等」への変化で、1956年から1998年の間に約23%にあたる約15.6km2が変化しています。湿原周辺の農地化の影響で湿原内も辺縁部で徐々に乾燥が進み荒地化しているものと考えられます。 また、1956年から1978年の22年間では「湿地」から他の土地利用への変化による減少は20%弱ですが、その後の1978年から1998年までの20年間では1956年に比べて約75%も「湿地」が減少し他の土地利用に変化しています。この1978年から1998年の20年間で特にサロベツ原野北部で急激に湿地の農地化が進んでいます。
c)土地利用項目間の変化
土地利用項目間の変化を表-5、表-6に示します。 1956年から1978年への変化では、「森林」から「畑地・果樹園等」へ57.1km2、また「荒地等」から「畑地・果樹園等」へ35.4km2の土地利用の変化が特筆されます。これは、1961(昭和36)年から進められた北海道総合開発事業の一環として行われた農地開発事業によるもので、調査地域内の道路建設により道路周辺の開墾が進み畑地が大幅に増加しています。
表-5 1956年から1978年への項目間の変化
1978年から1998年への変化では、「森林」、「荒地等」及び「湿地」から「畑地・果樹園等」への変化がそれぞれ19km2前後あります。また、「森林」、「湿地」から「荒地等」への土地利用変化がそれぞれ15km2前後あることが比較的大きな変化です。
表-6 1978年から1998年への項目間の変化
また表-5、6に基づいたサロベツ地区の主要5項目(都市集落及び道路・鉄道等、畑地・果樹園等、森林、荒地等、湿地)の土地利用変化の相関を図-19(1956~1978年)、図-20(1978~1998年)に示します。主要5項目間の矢印は、0.2 km2/年以上の土地利用変化速度のものを図示しています。 1956~1978年では、年平均2.60km2もの速さで「森林」から「畑地・果樹園等」へ、また、年平均1.61km2の速さで「荒地等」から「畑地・果樹園等」へ急激に変化しています。この頃に「森林」、「荒地等」の伐採・開墾が進み主に牧草地として利用されたものと考えられます。さらに、「森林」から「荒地等」への変化も年平均で0.42km2あり「森林」の減少が目立っています。反面、「荒地等」から年平均0.22km2で、「畑地・果樹園等」から年平均0.11km2で「森林」への土地利用変化もあります。荒地や畑地の耕作放棄地が森林化するなどの自然植生の遷移が要因として考えられます。その他には「湿地」から「荒地等」への変化が年平均で0.22km2、「湿地」から「畑地・果樹園等」への変化が年平均で0.21km2あることが特筆されます。「湿地」の乾燥化による「荒地等」への変化や開墾による変化と思われます。 1978~1998年では、「森林」から年平均0.97km2で「畑地・果樹園等」へ、年平均0.76km2で「荒地等」へ変化しています。さらに、年平均0.95km2で「湿地」から「畑地・果樹園等」への変化と年平均0.94km2で「荒地等」から「畑地・果樹園等」への変化が大きなものです。また、「湿地」は他にも年平均0.73km2で「荒地等」へ、年平均0.34km2で「森林」へ変化しています。この20年の間にサロベツ原野北部の湿地は急激に減少しています。他の項目では、耕作放棄により、「畑地・果樹園等」から年平均0.52km2で「荒地等」へ、年平均0.43km2で「森林」への土地利用変化があります。 ![]() 図-19 主要土地利用変化の相関(1956~1978年) ![]() 図-20 主要土地利用変化の相関(1978~1998年) |