サロベツ地区 湖沼湿原調査報告書

目次

4.土地利用調査報告

(2)調査結果

3)土地利用変化の例

図-21の土地利用変化図から典型的な土地利用の変化部(赤枠で囲ったa~dの4例)を抽出して、3時期の土地利用図の一部と同じ地区の5万分1地形図を1セットとして図-22~25で紹介します。

図-21:サロベツ地区土地利用変化図
図-21 サロベツ地区土地利用変化図

図-22:森林から畑地への変化,(左側)1956年土地利用図の一部,(右側)1978年土地利用図の一部
(左側) 1956年土地利用図の一部
(右側) 1978年土地利用図の一部

図-22:森林から畑地への変化,(左側)1998年土地利用図の一部,(右側)5万分1地形図「沼川」(平成8年編集)の一部
(左側) 1998年土地利用図の一部
(右側) 5万分1地形図「沼川」(平成8年編集)の一部
図-22 森林から畑地への変化

a)森林から畑地への変化(赤枠a)

図-22の地区は、調査地域の北東部にあたり稚内市と天塩郡豊富町との境界部で、森林から畑地への変化が進んだ例です。地区内にはサロベツ川と幌加川(ほろかがわ)が並行して流れており中央部に湿地が広がっています。1956年の土地利用図では、サロベツ川や道路沿いに畑地が点在しているものの、湿地を取り巻く地区内ほぼ全域が森林で覆われています。1978年の土地利用図では、1956年に比べ畑地の増加が急速に進んだことがわかります。その大半は、道路沿いを中心に森林が伐採され開墾により畑地化されたものです。1998年の図では、1978年からの畑地の増加は少なくなっていますが、中央の湿地がかなり減少し荒地化しています。

図-23:荒地から畑地への変化,(左側)1956年土地利用図の一部,(右側)1978年土地利用図の一部
(左側) 1956年土地利用図の一部
(右側) 1978年土地利用図の一部

図-23:荒地から畑地への変化,(左側)1998年土地利用図の一部,(右側)5万分1地形図「抜海」(平成8年編集)、「稚咲内」(平成8年編集)の一部
(左側) 1998年土地利用図の一部
(右側) 5万分1地形図「抜海」(平成8年編集)、「稚咲内」(平成8年編集)の一部
図-23 荒地から畑地への変化

b)荒地から畑地への変化(赤枠b)

図-23の地区は、サロベツ原野の北西部にあたる地区で、荒地から畑地への変化が進んだ例です。1956年の土地利用図では、中央から南東側に荒地が広がっており、西側の台地沿いが畑地として利用されています。1978年の図では、中央の荒地の大半が畑地に開墾されています。道路の建設にともない荒地を開墾して牧草地にしていったと考えられます。1998年の図では、1978年の土地利用図とそれほど変わっていませんが、道路沿いに集落の形成がみられます。

図-24:湿地から荒地への変化,(左側)1956年土地利用図の一部,(右側)1978年土地利用図の一部
(左側) 1956年土地利用図の一部
(右側) 1978年土地利用図の一部

図-24:湿地から荒地への変化,(左側)1998年土地利用図の一部,(右側)5万分1地形図「稚咲内」(平成8年編集)の一部
(左側) 1998年土地利用図の一部
(右側) 5万分1地形図「稚咲内」(平成8年編集)の一部
図-24 湿地から荒地への変化

c)湿地から荒地への変化(赤枠c)

図-24の地区は、調査地域のほぼ中央部にあたり、ペンケ沼を含むサロベツ原野の中心部で、湿地から荒地への変化が進んだ例です。1956年と1978年の土地利用図の比較では、地区内西側のサロベツ川沿いで荒地、森林、湿地が畑地に変わっています。1978年と1998年の比較では、ペンケ沼の北西部を中心に湿地の荒地への変化が顕著です。

また、3時期を比べると次第にペンケ沼の水面部分が減少し、森林や荒地に変化している様子がわかります。また、北東側から流入する下エベコロベツ川の河道が変わったのも見て取れます。なお、1978年の土地利用図から右上隅部分に現れる「その他」の分類項目は、泥炭採掘地です。

図-25:湿地から畑地への変化,(左側)1956年土地利用図の一部,(右側)1978年土地利用図の一部
(左側) 1956年土地利用図の一部
(右側) 1978年土地利用図の一部

図-25:湿地から畑地への変化,(左側)1998年土地利用図の一部,(右側)5万分1地形図「稚咲内」(平成8年編集)の一部
(左側) 1998年土地利用図の一部
(右側) 5万分1地形図「稚咲内」(平成8年編集)の一部
図-25 湿地から畑地への変化

d)湿地から畑地への変化(赤枠d)

図-25の地区は、前ページの地区の北側の地区で、湿地から畑地への変化が顕著な例です。1956年の図では、中央部のほとんどを湿地が占めていて、その周辺部に荒地や森林、畑地があります。

1956年と1978年の土地利用図の比較では、湿地の周辺部が荒地から畑地に変わっているだけですが、1978年と1998年の図を比べると湿地を横切るようにサロベツ川の流路が付け替えられ、新しい流路(1966(昭和41)年に開削した豊富町落合から開運橋上流までの放水路)を境に北西側の湿地全体が畑地に変わっている様子がわかります。5万分1地形図「稚咲内」をみると、かつて湿地だったところに縦横に水路ができており、排水路により湿地の水を排除して畑地にした様子がわかります。


お問い合わせ先

 国土地理院 応用地理部環境地理課 湖沼湿原調査係
   〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番
     Tel:029-864-6919
     Fax:029-864-1804
     E-mail:gsi-lake@gsi.go.jp

国土地理院ホーム | 主題図(地理調査) ]